WILD AND GENTLE
総合評価:★★★★☆ (投稿数:2 平均 9.00 点)
アルバム 2003 年発表
- 投稿日
- 2003/08/14
- 投稿者
- OOPS!編集部
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ポート・オブ・ノーツやダブル・フェイマスのメンバーでもある女性ボーカリスト、畠山美由紀の2枚目となるソロアルバム。プロデューサーには、今極めて音楽ファンから評価が高い音楽家がたちが集まった。リトル・クリーチャーズやダブル・フェイマスのメンバーで、カマ・アイナ名義での活動も活発な青柳拓次。伝統的なブラジル音楽のスタイルを元に現在進行形の音楽を奏でるショーロ・クラブ。ワールドスタンダードなどの活動を中心に幅広い音楽知識に根ざした“ポップス”を生み出す鈴木惣一朗。キリンジのプロデューサーとして知られ「J-POP」のフィールドで良質な音楽を量産し続けている冨田恵一。2003年の日本の音楽シーンにおいて最強の布陣が揃った。プロデューサーだけではない。作詞には彼らプロデューサーもきっと敬愛してやまない松本隆が参加と、サウンド、作詞の両面から最高のサポートによって生まれたのが今作だ。
これほどまでの才能を引き寄せるのはもちろん、このアルバムの主役 畠山美由紀の歌声。“歌がウマイ”がもはや当然となったこの時代に、「歌」を「心」で聴かせるボーカリストとしてはまさに稀有な存在だ。筆者の印象ではかなり「演歌」に近い女性の心理を表現できる人だと思う(いっそのこと「艶歌」と表記したいくらいの、溢れんほどの情念が畠山美由紀の「歌」にはある)。しかしそれは「心の奥底から絞り出すような」と単に表現される浅いレベルのものではない。心の奥底から歌いつつも、通俗的で過剰な猥雑さがすっきり削ぎ落とされ、「心」そのものが歌声に乗り、聴き手の耳、心に届く。ジャケットからも想像できるように、優雅でエレガントなイメージの彼女。だが歌の中で、かすかに漏れ聴こえるブレスの際の鼻息が、充分に荒々しいまでの女性の艶っぽさを感じさせる。冗談ではない。そんな少しはみ出した部分にエロティックを感じてしまうものなのだ。なぜに彼女に才能が集うのか? その答えはそんな些細な部分にあるのかもしれない。
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独特の質感のあるボーカル。
ひかえめでありながら強い意思を感じる。
じっと聴き入るのもよし、くつろいでのんびりと聴くのもよし。
日曜日の午前中、遅い朝食を食べながら聴くのがおすすめ。
彼女の歌詞は本当に詩的で、言語のその先へ我々を導いてくれる。
そこへきてなんとも魅力的な、少し憂いを含んだようなやさしく暖かい声。
この世ならざる言葉を使って世界を言い当てる巫女のよう、といったら可笑しいだろうか。
彼女の歌の中で、彼女の言葉によって初めて、愛が花が光が海が野原が、その姿を与えられるのだ。 (2003/08/29 修正)
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